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キャンパスから

(No. 06:2022年1月10日)

花笠サークル「四面楚歌」演舞披露会2021

 昨年(2021年)11月20日(土)の夕方、やまぎん県民ホールの大ホールで、本学花笠サークル「四面楚歌」の演舞披露会が開催された。当初用事が入っていたため参加できないと思っていたのだが、直前にそれが無くなり、急遽参加できることとなった。この演舞披露会は大変素晴らしく、来場した400名を超える人たちは大いに感銘を受けたことだろう。もちろん、私もその一人である。

 本学に勤めるようになって、花笠サークル四面楚歌の活躍ぶりを何度となく聞く機会があった。毎年行われる山形の代表的夏祭りで、東北四大祭りの一つである「花笠まつり」(8月5日から7日までの3日間)では、もっとも注目を集めている演舞団体の一つであるという。また、本学の入学式でも演舞を披露しており、その結果、多くの新入生が入部するのだそうだ。

 私はこれまで花笠まつりでのパレードをまともに見た経験がなかった。花笠踊りについても、みんなが参加できるタイプの踊りと、尾花沢の人たちが踊る笠を回すタイプの2種類がある、そんな程度の知識しか持っていなかった。

 ところで、仙台での踊りと言えば、‘雀踊り’と‘よさこい’の2つが有名である。雀踊りは5月中旬に行われる青葉祭りで、よさこいは9月ごろに開催される「みちのくYOSAKOIまつり」で披露される。雀踊りは基本的な動作はあるものの、各団体が自由に創作する踊りとなる。青葉祭りには、東北大学の留学生が参加している。留学生が雀踊りを学ぶ授業は‘国際共修科目’の一つと位置付けられ、人気が高い。いっぽう、よさこいも動きが激しく、各団体で自由に振付ができるので、工夫のしがいがあり、それがよさこいの最大の魅力であるという。

 すずめ踊りやよさこいに比べ、花笠踊りは自由な振付がしにくく、踊る動作もゆっくりとしたものにならざるを得ないと思っていた。それが、演舞披露会での踊りを見て、私の考えはまったくの的外れであることを知った。そもそも尾花沢の笠を回すタイプの踊りには、地域の違いにより5流派があるという。本部総務課秘書広報室の佐々木優翔さん(四面楚歌第9代部員)によれば、基本的な動作はあるものの、集団演舞は工夫次第で多種多様な表現をとれるという。確かに披露会では、趣向の異なるダイナミックな演技を次々と見ることができた。

 一昨年はコロナ感染の第2波の真っただ中にあたり、花笠まつりは中止になった。昨年の花笠まつりは演舞団体を制限した野球場での開催となった。5つの団体が招待されていたが、四面楚歌はその一つであった。しかし、直前に本学でクラスターが発生してしまい、参加を取りやめざるを得なかった。演舞披露会は、花笠まつりで踊ることができなかった想いを、コロナ禍においてもできることはないかと学生たちが自ら企画し、一昨年初めて開催したもので、昨年が2回目の開催だった。プログラムの中には、「イルミネーション花笠」や「名所で花笠」など、屋内の演舞披露会だからできるプログラムもあり、大いに楽しむことができた。今後は、花笠まつりなど屋外で踊りを披露することができたとしても、この演舞披露会を毎年行ったらどうなのだろう。定期演舞披露会である。今回と同様、きっと、多くの方たちが応援してくれるに違いない。