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キャンパスから

(No. 08:2022年3月10日)

メディアミクスを活用した戦略的な情報発信

 山形大学などの国立大学法人は、2004年の法人化以降、6年ごとに「中期目標・中期計画」(以下、中目・中計と略記)を作成し、活動内容を社会に公表することになっている。すなわち、中目・中計は、大学が社会に約束した活動方針とも言える。2021年度は、第3期中目・中計期間の最終年度にあたり、この4月からは第4期の中目・中計期間が始まる。なお、本学の第4期中目・中計は既に文部科学省に提出済みで、今月中に認可されることになっている。

 さて、中目・中計の教育と研究は4年目と終了時に、その他の‘業務’については年度ごとに達成度が評価される。これを「業務の実績に関する評価」と呼ぶ。「令和2年度に係る業務の実績に関する評価」は、昨年12月に「国立大学法人評価委員会」総会で確定し、大学側に通知された。評価は5段階でなされるが、本学は、4項目中2項目が「一定の注目事項がある」という上から2番目の評価、残りの2項目が「順調」の真ん中の評価であった。ほとんどの大学の、ほとんどの項目の評価は、「順調」の評価である。そんな中で「一定の注目事項がある」の評価が2つある国立大学は、83法人(10の指定国立大学は除き、7つの大学共同利用機関を含む)中、金沢大学と本学の2大学のみであった。

 この評価を公表するにあたって、上記法人評価委員会は総評を示すとともに、「特筆すべき点」や「注目すべき点」の好事例(Good Practice)を公表している。本学からは「注目すべき点」として、このエッセイの表題に掲げた「メディアミクスを活用した戦略的な情報発信」が取り上げられた。メディアミクスとは、ウェブサイトやリーフレット、あるいは冊子、SNSなど、複数のメディアを、その特徴を活かして合わせ使うことである。本学は多彩なメディアで情報発信していること、学長会見でプレスリリースした件数に占める実際にメディアが報道した件数が目標値(58%)を大幅に上回った(74%)こと、SDGsを普及啓発するウェブサイトを立ち上げるなどにより閲覧数が前年度よりも170万回多い740万回になったこと、などが評価された。

 大学には多様な才能を持った学生と教職員、医療従事者が集い、それぞれ工夫したやり方で多様な活動をしている。社会と密接な結び付きを持つ人も大勢いる。このような人たちの活動を、広く社会に伝えること、すなわち活動の「可視化」・「見える化」は、大学の大事な役目である。広く情報発信することで、次の高みへと到達することができるし、また、対象を広げるといった、いわゆる‘横展開’をすることもできる。さらに、本学で学んで社会に巣立った多くの卒業生や本学に勤めた教職員も大勢いる。これらの方々に母校の現状と活動の様子を伝えることも同じく重要である。

 本学本部の広報は、総務部秘書広報室が所掌し、矢作広報担当理事の下、現在は上席係長と一般職員の2名という少人数体制で担っている。私事で言えば、「がっさん通信」のウェブサイト掲載をお願いしている。各部局においても、正確で迅速な情報発信に努めていると理解している。今回の評価を糧に、本学の更なる情報発信能力の向上に期待したい。