はばたくひと #04

佐藤祥

地元の人々の日常を支えたい、
広く町民と関われる保健師へ。

2017.12.15

地元の人々の日常を支えたい、広く町民と関われる保健師へ。

 進路に迷った高校時代、医療の道を勧めてくれた先生がいた。大学時代、看護師か保健師か決めかねているとき、「めったにないチャンスに恵まれたのだから一番やりたいと思う方にかけてみたら」と背中を押してくれた先生がいた。岐路に立ったときに的確なアドバイスをしてくれる師に恵まれ、佐藤祥さんは今、故郷の山形県真室川町で保健師として働いている。ずっと漠然と抱いていた「生まれ育った地元に貢献したい」という思いが叶ったのだ。

打ち合わせ風景

上司と佐藤さんの和やかな打ち合わせ風景。町民の健診の結果を受けて、より適切な対応を行うために経験豊富な先輩からのアドバイスに熱心に耳を傾ける。

 大学では、看護師と保健師の資格を取るためにハードな勉強が必要だったが、アルバイトこそしなかったものの部活や友達との遊びも十分に楽しんで人間力にも磨きをかけた。特に、優しい先輩との出会いがきっかけで入部した弓道部では、まったくの初心者ながら楽しく続けることができ、集中力を高める上で役立っていると言う。まだ自身の目標が定まっていなかった頃、病院実習と市町村実習を通して、より多くの人々の健康に関われる保健師という仕事に大きな魅力を感じるようになり、地元の真室川町で保健師として働くことが一番の目標となった。しかし、各市町村が保健師を募集するのは数年に一度あるかないかの狭き門。可能性は低いと思われたが、佐藤さんの卒業年に合わせるかのように真室川町が保健師の募集を行ったのだ。もちろん応募して一次試験は合格したものの、二次試験までは期間があり、早く就職を決めたいという焦りから先に内定をもらっていた病院での看護職に就こうと悩む時期もあった。そんな時に当時の学科長がかけてくれた言葉が前述の一言だった。

育児相談をする佐藤さん

母子担当がメインの佐藤さんは、お母さんの育児相談に対応したり、離乳食の指導をしたりする。町民にとって親しみやすく頼もしい存在に、そんな目標に一歩一歩近づいている。

 現在、佐藤さんは町立病院と高齢者福祉施設が併設された「ヘルスケアセンターまむろ川」で4人の先輩保健師とともに町民の健康サポートに尽力している。主に、母子担当として赤ちゃんの健診や健康相談、お母さんの育児指導など、職務内容は多種多様。町民にもっともっと顔を覚えてもらい、名指しで相談に来てくれる人を増やすことが4年目の今の目標。文字通り、地域の元気を支える存在として今後ますますの活躍が期待される。

さとうさち

さとうさち●山形県出身。2013年度医学部看護学科卒業。生まれ育った地元に貢献したいと真室川町で保健師として勤務。窓口での相談業務、家庭や保育園訪問など、多角的に町民の健康をサポート。

※内容や所属等は2017年当時のものです。

みどり樹

この内容は
山形大学広報誌「みどり樹」
Vol.72(2017年10月発行)にも
掲載されています

[PDF/3MB]

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