はばたくひと #28

三ヶ尻知子

紆余曲折を糧に切り開いた
気象予報士の道、
気象災害の防災・減災を願って
懸命に情報発信。

2023.10.15

紆余曲折を糧に切り開いた気象予報士の道、気象災害の防災・減災を願って懸命に情報発信。

 “雪が見たくて山形大へ”雪国への淡い憧れで本学への入学を決めたという大分県出身の三ヶ尻知子さん。ところが、農学部のある鶴岡市では連日のように吹雪で雪国の厳しさを体感し、「九州に帰りたい」と弱音を吐いたことも。それでもサークル活動やアルバイトをする余裕もないほど勉強と実験に打ち込む日々を過ごした。大学の授業についていくために初めて真面目に勉強し、一生懸命やれば結果がついてくるということ、また、実験でコツコツ積み上げることの大事さを学んだという。卒業時は厳しい就職氷河期、そんな中でも専門外の業種ながら大手流通会社に就職することができた。  
 しかし、大きな会社の歯車になるよりは自分が本当にやりたいことをやろうと1年足らずで退社。幼少期から興味のあった天気に関する仕事に就こうと考え、半年ほど猛勉強をして気象予報士の資格を取得した。この時に背中を押してくれたのは「何をするにも遅いということは絶対ない」という父親の言葉だった。近年は、異常気象による気象災害も多発しており、三ヶ尻さんたち気象予報士の活躍の場も役割もどんどん広がっている。全国各地のお天気ニュースで気象災害に対する警戒を呼びかける際には、鶴岡での経験のおかげもあって実感がこもるという。人の力で天気を変えることはできないが、予報で人の行動を変えることはできる。「情報で人を救う」をモットーに、テレビやラジオ、各地での講演会などを通して防災・減災に役立つ知識や情報を積極的に発信している。  

仕事風景

刻々と変わる気象状況を多方面から情報収集・分析し、気象予報士として発信する原稿を自ら作成。

 そんな三ヶ尻先輩は「まだ将来の目標が決まっていなくても大丈夫。私自身がそうだったように、大学での専門と違う仕事に就いても、さらに別の道に進むにしても遅いということは絶対ない。長い人生、大学時代で全てが決まるわけではありませんから」と心強い言葉を届けてくれた。三ヶ尻さん自身も年齢に捉われず新しいことに挑戦していきたいと意欲的。先輩の言葉や生き方が学生たちの背中を押してくれているようだ。

天気図を読み解き、今後起こり得る気象災害に備えてどんな注意喚起をすべきかをスタッフと話し合う三ヶ尻さん。

みかじりともこ

みかじりともこ●大分県出身。1995年農学部生物生産学科卒業。1996年に気象予報士の資格を取得。(株)ウェザーマップ所属、テレビやラジオの気象キャスター、講演会等で活躍中。

※内容や所属等は2023年2月当時のものです。

みどり樹

この内容は
山形大学広報誌
「みどり樹」Vol.83
(2023年4月発行)にも
掲載されています。

[PDF/4MB]

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