まなぶひと #20

柏倉康平

県選手権大会の新記録をマーク、
全国大会で初の表彰台に向けて。

2019.12.30

県選手権大会の新記録をマーク、全国大会で初の表彰台に向けて。

 近年、本学陸上競技部の選手たちの活躍が目覚ましい。そんな中でも4年生としてその躍進を牽引しているのが三段跳びの柏倉康平選手だ。高校時代から全国レベルで活躍していたものの、大学に入学してからは怪我などの影響もありやや低迷。それでも東北インカレ(東北学生陸上競技対校選手権大会)では4連覇という輝かしい成績を残している。しかし、東北レベルでの優勝に満足することなく、より高みを目指す柏倉選手は、陸上競技部の顧問であり、ゼミの指導教員でもある渡邉先生からの理論的なアドバイスを受けてフォームの改善に取り組んだ。試合での自身の跳躍を映像で何度もチェック、分析を繰り返し、「水切り」のようなイメージで助走スピードにブレーキを掛けることなく、最大限の推進力に変えるという技術向上に努めた。その地道な努力が開花したのは、2019年7月に開催された2019茨城国体の県予選を兼ねた山形県選手権。成年男子三段跳びで15メートル72の大跳躍を見せ、楯岡高校時代の恩師である佐藤孝夫山形中央高校監督の持つ記録を9センチ上回り、35年ぶりに大会記録を更新した。

大会新記録で優勝した際の画像

大会新記録で優勝した2019国体県予選会の表彰式で2位・3位の選手と喜びを分かち合う。陸上部の後輩たちもめきめきと成長し、競い合い、高め合って記録は更新される。

 陸上競技の中でも、特に三段跳びは技術が複雑で、習熟するほどに、経験を積むほどに記録が伸びる傾向のあるスポーツ。3回試技を行い、上位8人がさらに3回跳べるという試合スタイルから、1回目にいい記録を出すことで他の選手にプレッシャーを与えて優位な試合運びをするといった駆け引きや、メンタル面に左右されることも多く、20代後半にピークを迎える選手も少なくない。つまり、20代前半の柏倉選手にはまだまだ伸びしろがあり、チャンスがたくさん残されているということ。まずは、この秋の全日本インカレや国体など全国規模の大会で結果を出し、山形県の記録である16メートル01を更新し、上位入賞を目指す。また、来春の卒業後も県内に留まり社会人選手として競技は続けていく予定だというから、今後も国体などで活躍するであろう柏倉選手に、熱い視線と、声援を送り続けたい。

過去に獲得した金メダルを持つ柏倉選手の画像

東北インカレ(東北学生陸上競技対校選手権大会)と国体県予選で獲得した金メダルを手に爽やかな笑顔を見せる柏倉選手。双方とも在学4年間で4連覇。次は、全国大会で表彰台へ。

かしわぐらこうへい

かしわぐらこうへい●地域教育文化学部4年。山形県出身。茨城国体の県予選で三段跳びの県記録を35年ぶりに更新。東北インカレは4連覇。国体本選や全日本インカレでの活躍にも期待。

※内容や所属等は2019年8月当時のものです。

みどり樹

この内容は
山形大学広報誌「みどり樹」
Vol.76(2019年10月発行)にも
掲載されています。

[PDF/3.7MB]

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