まなぶひと #32

佐藤朱音&佐藤駿

活動制限の中で生まれた新たな取組
情報発信による食育・地産地消の推進

2022.05.15

活動制限の中で生まれた新たな取組情報発信による食育・地産地消の推進

 地域教育文化学部では、3年生を対象に様々なテーマで地域と連携して活動を行う授業「フィールドプロジェクト(FP)」を実施している。令和2年度の3年生11名が食育・地産地消を推進するチームとして発足させたのが「Ymgt Eats(ヤマガタイーツ)」。まず、チームの結束力を高めるためにチーム名をロゴデザイン化し、オリジナルTシャツを作製。例年、地域のイベント等で料理を提供するなどの活動を行なってきたFPだが、コロナ禍により活動が制限される中で何ができるか、代表の佐藤駿さん、佐藤朱音さんを中心にメンバー全員で考え、話し合い、食育・地産地消につながる情報発信をすることにした。

メンバー11名の代表を務めた2人の佐藤さん

Ymgt(ヤマガタイーツ)のメンバー11名の代表を務めた2人の佐藤さん。コロナ禍で全員が集まることは難しく、リモートでのミーティングが多かった。

 令和3年3月に冊子「やまがた食育・地産地消ガイド2020」を発刊。山形県の郷土料理である納豆汁や山形県の在来野菜(伝統野菜)である赤根ほうれん草と食用菊を使ったパスタと生春巻きを紹介するとともに、地産地消に取り組む山形市内の飲食店2店舗を取材し、紹介している。ちなみに、パスタと生春巻きは、取材したお店からアイデアをいただき、FP担当の楠本健二先生からアドバイスを受けて完成させたオリジナル料理。
 料理や食材の歴史や由来、作り方、栄養成分、1食当たりの材料費まで網羅し、さらに、ページ内にQRコードを貼り付け、簡単に調理動画を視聴できるようにした。原稿やレシピのまとめ、調理動画の撮影、編集もすべて学生たちが主体となって完成させた。学生たち自身が食育や地産地消に関する知見を深めたことはもちろん、食味の工夫や動画配信などによって若い世代が郷土料理や地元食材に興味を持つきっかけもつくった。この経験を、駿さんは「マネージメント力や発表する力を社会でも活かしたい」と述べ、朱音さんは「小学校教員として子どもたちの食育につなげたい」と語った。本学も積極的に取り組むSDGsにもつながる意義ある一冊、今後もFPモデルの一つとして後輩たちに受け継がれて第2弾、3弾が発刊されることを期待したい。

やまがた⾷育・地産地消ガイド2020

食育・地産地消を推進するためのプロジェクトYmgt(ヤマガタイーツ)が取り組んだ活動の成果をまとめた冊子「やまがた⾷育・地産地消ガイド2020」。QRコードで調理動画の視聴もできる。

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さとうあかね

さとうあかね●地域教育文化学部児童教育コース4年。山形県出身。Ymgt Eats代表。卒業後は小学校教員に。

さとうしゅん

さとうしゅん●地域教育文化学部文化創生コース4年。山形県出身。Ymgt Eats代表。卒業後は一般企業へ。

※内容や所属等は2022年3月当時のものです。

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