まなぶひと #22

佐藤唯杏

農場米をオール山形大で商品化、
ラベルデザインの醍醐味を実感。

2020.05.15

農場米をオール山形大で商品化、ラベルデザインの醍醐味を実感。

 「美術全般を学べる地元の大学に進学したい」そんな希望がかなって地域教育文化学部文化創生コースに入学した佐藤唯杏さん。ミュージックビデオなどを制作する映像分野に興味を持ち、ミュージックビデオとそのメディア全般の変遷といった理論を学びつつ、自分で描いた絵を動かしてアニメーションに挑戦したり、フリーの音楽素材に合わせてVRを取り入れたMVを制作したり、最新技術の習得にも余念がない。その一方で、最近はグラフィックデザインに取り組む機会も増えている。今回、農学部附属農場産のお米を本学キャンパス内の生協で販売するにあたり、ラベルデザインも含めて「オール山形大学」にこだわろうと、ポスター制作などでも実績のある佐藤さんに白羽の矢が立った。担当したのは、2合(300g)入りキューブ型包装のお米全4銘柄のラベルデザイン。単品での販売のほか、お土産や贈答用に最適な4パックセットの箱入りも用意されている。

土井先生から指導を受ける佐藤さん

美術が専門の土井敬真准教授から指導を受ける佐藤さん。先生からはテクニカルなアドバイスをもらうことが大半で、稲のしなやかさをイメージした曲線や手書きの文字は佐藤さん自身の感性。

 大学や生協の担当者と打ち合わせを重ね、銘柄それぞれの特徴や生産者の思い、消費者の目線や嗜好をインプット。自身の感性やアイデアで完結するミュージックビデオづくりにはない、関係者の皆さんと一緒に創り上げていく感覚が新鮮であり、楽しくもあったという。稲のしなやかさや柔らかさを丸や曲線で表現し、手書きの文字で銘柄それぞれの個性を強調。銘柄に指定色はあったものの、4銘柄を並べた時に統一感が出るようにグラデーションを取り入れたのは佐藤さんの発想。商品が店頭に並び、メディアでも取り上げられ、両親や親戚だけでなく、高校時代の友人や学内でも反響は大きかった。

4銘柄のラベルデザイン

はえぬき、ササニシキ、ひとめぼれ、ミルキークイーンの4銘柄のラベルをデザイン。指定色に工夫を加え、並べるとグラデーションになり統一感が出るように仕上げている。

 この経験を経て、今後本格化する就職活動では、映像とグラフィックの両方の分野が視野に入ってきている。今回のラベルデザインの実績もいいアピールポイントになりそうだ。また、大学で東北地方以外の出身の友人や海外からの留学生に出会ったことで、より広い世界を見て感性を磨きたいという思いも芽ばえたそう。多彩な表現の可能性をもつ佐藤さんの今後の活躍に期待したい。

さとういあん

さとういあん●地域教育文化学部3年(新4年)。山形県出身。文化創生コースで美術全般、特に映像を学ぶ。グラフィックデザインへの関心も高く、農学部附属農場産のお米のラベルデザインを担当。

※内容や所属等は2020年3月当時のものです。

みどり樹

この内容は
山形大学広報誌「みどり樹」
Vol.77(2020年3月発行)にも
掲載されています。

[PDF/4.7MB]

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