まなぶひと #28

髙木直人

体験会でVRの魅力や可能性を発信。
企業などからも一目置かれる存在に。

2021.04.30

体験会でVRの魅力や可能性を発信。企業などからも一目置かれる存在に。

 静岡県出身の髙木直人さんは、高校生の頃から有機エレクトロニクスに興味があり、有機ELの研究開発では国内トップクラスの教授陣及び設備を誇る山形大学に憧れて入学した。研究室では「ブラシポリマーを用いた高効率な有機薄膜太陽電池の開発」に取り組み、サークル活動ではVR部の部長として学内外で活発に活動を繰り広げている。大学生になって初めて自分のパソコンを手にした高木さんは、プログラミングやゲーム制作に興味を持つようになり、その後、VR対応パソコンやVRゴーグルの価格が手頃になったことで趣味の幅が広がり、自らVR部の創部に至ったのだという。
 現在、VR部の部員は約30名。部員同士で知識や技術の勉強をし、情報共有するとともに、地域の人々にVRの魅力を伝えるためにVR体験会などを実施している。新入生歓迎会や大学祭でVRを初体験して予想を遥かに超えるリアリティに感動し、入部を希望する学生も少なくないという。また、隣県の会津大学、新潟大学と3大学合同で「ANYハッカソン」という新しいサービスやプロダクトを作るイベントを企画運営するなど、外部との交流を通して化学反応を楽しんでいる。

CAVE型VRシステム

有機材料システムフロンティアセンター内に導入されているCAVE型VRシステムが、VR部の主な活動拠点。3Dに見えるだけでなく、空間映像の中に入り込む感覚が味わえる。

 VRに限らず動画撮影や編集、ゲーム制作なども活動内容に含まれているが、「VR部」としたのは、注目度の高さを意識したもの。その狙い通り、企業や自治体からの反響は大きい。会社見学に来てほしい、製品の紹介VRを作りたい、地域の魅力を発信したいなど、オファーの中身はさまざま。コロナ禍の影響もあってVR人口が増加しているにもかかわらず、VRに詳しい人材は圧倒的に不足しているのだ。VR部の能力には大学も注目し、オープンキャンパスの動画作成等を依頼している。各方面との人脈も出来て前途洋々のVR部。髙木さんは、それらの技術や人脈をしっかり後輩たちに伝え、自らはVRに詳しい有機デバイスの研究者を目指す考えだ。今後の髙木さん自身の化学反応にも大いに期待できそうだ。

大学生になって初めて自分のパソコンを持ったという髙木さん

大学生になって初めて自分のパソコンを持ったという高木さんは、プログラミングや2Dゲーム制作への興味からみるみるスキルアップ。今では動画編集なども巧みにこなしている。

たかぎなおと

たかぎなおと●有機材料システム研究科博士後期課程1年。静岡県出身。大学祭等で体験会を開催し、VRの魅力を発信。大学、企業、行政等からも注目を集めるVR部創部者であり、部長。

※内容や所属等は2021年3月当時のものです。

みどり樹

この内容は
山形大学広報誌「みどり樹」
Vol.79(2021年3月発行)にも
掲載されています。

[PDF/5MB]

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