まなぶひと #34

山谷颯大

秋の八峰祭を3年ぶりに対面開催。
成功を目指し実行委員長として奮闘。

2022.07.30

秋の八峰祭を3年ぶりに対面開催。成功を目指し実行委員長として奮闘。

秋の一大イベント、小白川キャンパスの大学祭「八峰(やつみね)祭」が2022年は10月22日・23日に行われる。新型コロナウイルス感染症の影響で2021年はオンライン対応、2020年は中止のため、対面での開催は3年ぶり。八峰祭実行委員会の委員長を務める理学部理学科3年の山谷颯大さんは「大学祭は地域のお祭り的な位置付けと聞いている。山大生はもちろん、学外の方にも楽しんでもらいたい」と気合十分。実行委員会のメンバーと準備を進めている。

1年生から実行委員会のメンバーに。
自覚が強まり、やりがいを感じる。

 本学の大学祭はキャンパスごとに名称が異なり、小白川キャンパスでは「八峰祭」を開催。主催する八峰祭実行委員会のメンバーは、小白川キャンパスに通う大学1〜4年生の約50人で構成している。例年は2年生が中心になって運営するが、コロナ禍で通常開催ができない年が続いたため、2022年は大学生活により慣れている3年生が引っ張る。
 山谷さんは1年生の秋、実行委員会に加入。在籍する軟式野球部の先輩が実行委員会のメンバーとしても活動し、声を掛けてもらったのがきっかけだ。高校時代に生徒会執行部で学校行事を企画した経験があり「大学入学当初から八峰祭実行委員会に興味があり、密かに公式ツイッターを見ていた」と明かす。しかし、1年生の前期はオンライン授業になり、秋田県の実家にとどまっていた。後期になり少しずつ対面授業が増え、キャンパスのある山形市に引っ越し、委員会メンバーになった。
 八峰祭実行委員会は大きく6つの部署で構成。軸となる本部は委員長、副委員長、会計から成る。他にテントやガス、電気を手配する運営部、イベント内容を考える企画部、会場の飾り付けをする制作部、公式のウェブサイトやツイッター、インスタグラムでの情報発信、広告協賛、パンフレット制作を担当する広報部、音響や照明、招待アーティストの手配をするステージ部がある。
 山谷さんは運営部を経て、オンライン開催となった2021年の八峰祭終了後の秋に、前実行委員長からの推薦で実行委員長に就任した。「大学は高校よりイベントの規模が大きく、よりやりがいがありそう。実行委員長をやってみたいと思っていたので、前実行委員長に声を掛けてもらった瞬間、心の中で『おっしゃー!!』ってうれしかった」とはにかむ。
 実行委員長として携わる大学祭は3年ぶりの対面での開催を予定し、前回とは比べものにならないほど仕事が多い。メンバーの一人だった時は先輩を手伝う程度だったが、実行委員長に就任し「自分から動かないと」と気を引き締める。

コロナ禍前の様子。部署単位で集まって、八峰祭の打ち合わせを行う当時の実行委員会メンバー

こちらもコロナ禍前。勉強やサークル活動と併行して八峰祭の準備を進めている

サークルや部活、委員会の魅力を紹介。
80団体参加した春の新歓フェス。

 八峰祭の他に、八峰祭実行委員会が主催するイベントとして、春の「新入生歓迎フェスティバル(新歓フェス)」がある。2021年はオンラインだったが、2022年は2年ぶりに対面で開催した。
 本学公認のサークル、部活、委員会の約80団体が参加し、それぞれの活動内容を新入生に紹介。「サークルや部活、委員会選びの参考になった」「勧誘するきっかけになった」と新入生、在学生いずれからも喜ばれた。「オンラインと対面開催の2パターンを想定し、前年の12月から準備したかいがあった」と振り返る。
 こうした新歓フェスの経験も踏まえ、10月の八峰祭は対面開催を第一に、感染状況によってはオンラインでも対応できるように準備を進めている。テーマは「異世界」に決定。特に力を入れているのはステージ発表で、花笠踊りやバンド演奏など、さまざまなパフォーマンスが繰り広げられる。ゲストアーティストを迎えてのライブも見どころだ。
 屋外での露店も目玉企画の一つ。サークル、部活、委員会の他、感染状況を見ながら学外からの出店も検討している。例年は山形を代表する芋煮などの飲食店が多く、お祭りムード満点。
 「代々出店内容が決まっているサークルや部活もある。個性あふれる出店をお楽しみに」
 過去2年間、発行を休止したパンフレットが今回は復活。そのため、広報部が中心になって地元企業などを訪問し、制作代の協賛金を募った。
 「山大生に限らず、地域の方も気軽に参加してもらえる八峰祭にしたい。学生ならではのノリを実際に見て、高校生や中学生の皆さんは志望校選びの参考にもしてもらえれば」

コロナ禍で学生同士の交流ができない時期が続いたからこそ、新歓フェスに向けて委員会メンバーで集まる喜びもひとしおだ

2022年の新歓フェスは感染対策に配慮しながら、在学生が新入生を迎えた

ステージでは山形大学チアリーディングサークル「Cherries(チェリーズ)」が元気いっぱいにパフォーマンス

大学卒業後は出身地の秋田県で
高校の数学教員になりたい。

 山谷さんの夢は、出身地の秋田県で数学の教員になること。中学時代、数学を教えてくれた担任に憧れ、目指すようになったという。「正解しても、別の解き方を毎回教えてくれる先生だった。答えは一つでも、いろいろなアプローチがある数学に面白さを感じた」と思い返す。
 本学の理学部理学科は数学か理科の中学校教諭一種、高等学校教諭一種の免許状が取得できる。「スタンダード」「フロンティア」「サイエンスコミュニケーター」の3つの履修プログラム、さらに「数学」「物理学」「化学」「生物学」「地球科学」「データサイエンス」の6つのコースカリキュラムで構成し、それぞれから1つを選択して専門性を高められるようになっている。山谷さんは実践的な教育力が身に付くサイエンスコミュニケーター、計算機科学や数値解析などを学ぶデータサイエンスを選んでいる。
 「1年生で生物や化学、物理、地学など、幅広く学べるカリキュラムも魅力だった。数学の教員になろうと思っていたが、他にやりたいことがあるかもしれないとも考えていた」
大学入学当初は中学校か高校の教員か迷っていたというが、より多くのアプローチ手段がある高校の数学教員を目指すと決めた。

空き時間に大学で自主学習する山谷さん。教職課程を取っていて、4年生で教育実習を予定している。「中学時代の数学の先生に憧れているが、自分は高校の数学の教員になりたい」

 授業は完全に対面になり、教職課程も履修。軟式野球部の活動もある。八峰祭の企画を詰める佳境の今は「入学してから一番忙しい。でも、委員会のメンバーや各団体と関わりを持てて楽しい」と充実の表情。コロナ禍の自粛期間を経て「最近は思い描いていた大学生活に近づけている」と笑顔を見せる。
 八峰祭は対面での開催を基本にしているが、新型コロナの感染状況でオンライン開催も視野に入れている。山谷さんは「もしオンラインになっても、ステージ発表だけは実際に大学でやりたい。無観客になるが、パフォーマンスをオンラインで配信する。でもやっぱり、対面で開催できるのが一番」と願う。
 八峰祭の情報は公式WEBサイトやSNSで随時発信している。
https://yatsumine.wixsite.com/yatsuminefestival
https://twitter.com/Yatsumine_Fest
https://www.instagram.com/yatsumine_fest/

八峰祭実行委員会のメンバーは学祭当日、代々引き継いでいる紺色の法被姿で参加する

やまやそうた

やまやそうた●秋田県出身。理学部理学科3年。履修プログラムはサイエンスコミュニケーター、コースカリキュラムはデータサイエンス。八峰祭実行委員長。軟式野球部の部員。高校の数学教員を目指している。

※内容や所属等は2022年6月当時のものです。

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